市民の皆様へ  <日本の医療制度を良くしよう!>

 日本では、国内総生産比で世界17位の低い医療費で、高度で安心できる医療を提供してきました。その結果、世界一の長寿国となり、乳幼児の死亡率は世界一低い国になりました。しかし、医学・医療は日進月歩であり、高齢者人口の増加につれて、医療費も増加しています。それに対して、政府は、経済の低迷を理由に、医療費を無理に抑え込もうとしています。

(1)               高齢者の病医院での窓口負担金が上がります

現在1割の70歳以上の方の窓口負担金を、現役世代と同じ3割へ引き上げようとするものです。国民から医療機関への支払いを増やし、保険からの支払いを減らそうとしているのです(医療機関の収入が増えるわけではありません)。

(2)              医療保険の範囲がせまくなります

日本の医療費支出はアメリカの約半分です。日本では、「病気になったときのために、皆でお金を出し合おう」という考え方にもとづいて医療費が支出されています。このため、国などが負担する支出が多いのです。これまでは、病気であれば健康保険証で、いつでもどこでも医療機関へ受診することができました。しかし、改革案が通れば、費用の少ない風邪などの診察は保険がきかなくなります。入院時の食費・宿泊費も自分で支払うようになります。このようにして、国などの支出を抑えると、個人が保険会社と契約して治療費を出すことになります。そうすると国民の負担はもっと重くなります。アメリカの医療費は日本の約2倍で、保険会社への支払いが半分以上を占めます。

さらに、国は、経済の状態に合わせて医療費を抑え込もうとしています。これでは、世界的にみてもすばらしい日本の保険制度は崩壊してしまいます。

医師会は、皆様とともに本当の医療改革を目指すべく、運動を行なっていきます。市民の皆様も、保険等を経営する経済人に誘導されたこれらの改悪に反対の大きな声を上げて、私達と共に闘っていきましょう! 

平成17年11月   長崎市医師会