70歳以上の患者負担割合は、2006年10月に現役並みの所得の方は2割から3割引き上げられ、更に、直前に3割負担となる該当者の基準の引き下げ対象者が増加しました。2008年4月には70歳以上の一般の方も2割負担に引き上げられます。
 また、透析を受けている方も所得により自己負担限度額が引き上げられ、療養病床に入院する患者さんの食事・居住費が事項負担になりました。

70歳以上
改正前
2006年10月〜
2008年4月〜
現役並み
2割
3割
3割
一般・低所得
1割
1割
2割

 

私たちの考え

 日本の医療の評価は世界1位、使っている医療費は第17位にもかかわらず、医療費抑制目的に患者負担の増額を中心とした政策が行われています。
 国は国民の健康を守る責務があり、国民に大きな負担を求めるべきではありません。

 「療養病床」とは、主として長期の療養、介護が必要な方が入院(所)されている病床のことです。
 厚生労働省は、2005年末に突然、現在約38万床ある療養病床を15万床に削減(医療型及び介護型があり、介護型は全廃)し、約23万床を介護老人保健施設など介護施設へ転換させ、金jさんの受け入れ先とすることを打ち出しました。


私たちの考え

 あまりに唐突な改革案で、受け入れ先となる介護施設サービスの整備ができていません。日本医師会の平成18年7月調査では、比較的医療の必要性が低いとされる方(医療区分1)の約4割は、介護保険サービスの基盤が整ってないために、退院後の行き場がない「介護難民」となり、約2割の医学的管理・処置を必要としている方は「医療難民」となる可能性が高いことがわかりました。この改革は、現在、療養病床に入院している多くの患者さんを適切な入院医療、介護から排除することを意味します。
 介護療養型医療施設の廃止を含む療養病床の大幅な削減は、引いては我が国の医療提供体制(入院医療、在宅医療)のあり方を本質的に変化させるものなので、もっと充分な議論が必要です。
 患者さんが、制度改正の狭間に陥り、必要でかつ良質かつ適切な入院医療、介護を受けられなくなることがないよう、療養病床や長期療養のあり方を充分に考え、政策(介護保険、医療保険、医療法を包含する検討等)を行うべきです。

 「保健免責制」は、「外来診療について、低所得者を除き、かかった医療費のうち、受診1回ごとに一定額までは自己負担する」というもので、導入が検討されています。
 例えば、自己負担3割の方で医療費が5,000円かかる場合、これまでの自己負担3割・1,500円が、保険免責制が導入されると受診ごと1回1,000円の免責額だと、自己負担は免責額1,000円と残り4,000円の3割・1,200円の合計2,200円となり、実質4割以上の自己負担となります。

私たちの考え

 患者負担の増額であり、軽い病気では保険給付が受けられないため受診を控えた結果、重症化するケースが増えることが予想されます。患者負担の更なる増加で保険料未払い等により医療保険加入者が減少すれば、国民皆保険制度そのものが崩壊します。



 「医療費総枠管理制」とは、日本の医療費の年間の総額をあらかじめ予算を立て規制する制度です。

私たちの考え

 医療の安全確保と質の向上が出来なくなるだけでなく、例えばインフルエンザの大流行時に予算を超えた場合、以降は医療が健康保険は受けられなくなります。

 健康保険制度では、健康保険が適用となる診療(薬や材料も含む)の範囲を限定しており、限定された以外の診療を行うと全てが自己負担となりますが、「混合診療」とは、健康保険の範囲内の分は健康保険で賄い、それ以外の分は患者さん自身が費用を支払うことで、医療費用が混合することを言います。
 現在も特別な場合は、保険外併用療養費として国が定め、保険診療と自費診療を併用している場合があります。

私たちの考え

 保険診療が全額自己負担にならないなど便利なように思えますが・・・、
(1) 政府は、財政難を理由に保険の給付範囲を縮小しようとしています。混合診療を認めれば、現在健康保険でみている療養までも「保
  険外」とする可能性があります。
(2) 医療は、患者さんの健康や命という、最も大切な財産を扱うので、お金の有無で区別すべきものではありません。考えられている混
  合診療を認めると「保険外」としてお金のあるなしで必要な医療が受けられなくなることになりかねません。




 日本では、医療が国民の生命や健康に関わるとして、医療法で営利目的の医療は禁止されています。株式会社などの営利団体は、自社や株主など所有者への利益配分を優先しがちで、医療になじまないという考えからです。
 株式会社が医療に参入すると、@徹底したサービスの向上や無駄を省く効率化、A取締役会や株主によって、情報公開や経営のチェックがなされる仕組み、B資金調達がしやすくなるとして、政府で導入を推し進める意見があります。

私たちの考え

 営利目的である株式会社が、国民の健康に関わる医療に参入することは、あるべき社会保障の理念に添うものとは思えません。
 営利活動は、収益性の高い領域を選別し、不採算部門では切り捨てざるを得ないものです。そのようなことでは結果として地域医療に深刻な矛盾と混乱を招きますので認めるべきではないと考えます。

 

私たちは、

誰もが安心してよい医療が受けられることを希望します


私たちの医療改革を実現しましょう
   ・長寿を心から喜ぶことのできる社会
   ・安心して赤ちゃんが産める社会
   ・子供が元気ですくすくと育つ社会
   ・健康で生き生きと働ける社会
   ・病気の発生をできるだけ減らす社会
   ・病気の人に質の良い医療が提供できる社会
   ・医療提供体制が充実した社会
   ・医学の進歩を医療に生かすことのできる社会