▼長崎市【話題になっている感染症:新型コロナウイルス感染症について、その他】 https://www.city.nagasaki.lg.jp/fukushi/450000/454000/p026081.html
▼日本医師会「新型コロナウイルス関連感染症」(医療従事者向け) http://www.med.or.jp/doctor/kansen/novel_corona/009082.html
▼日本医師会「新型コロナウイルス感染症の正しい理解のために」(一般の方向け) http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20200217_1.pdf
1.新型コロナウイルス感染症について 遺伝学的には、系統樹解析により、SARS(サーズ)コロナウイルス*に近いこと、潜伏期が約2週間(後日WHO報告で12.5日)で、致死率は2-3%(2020/2/21時点:中国の湖北省2144/62662、3.4%、世界:中国以外11/1242、0.8%)でSARSよりも低いことがわかってきました。
新型コロナウイルス感染症は、2019年12月頃から中国湖北省の武漢を中心に広がり、その後、世界へと広まっています。 世界保健機関WHOは、2020年1月30日、新型コロナウイルス感染症について、「国際的な公衆衛生上の緊急事態」を宣言しましたが、3月11日に新型コロナウイルス感染症が、世界的にひろまり、世界的流行(パンデミック、Pandemic)をおこしていると判断しました。 パンデミックにつきましては、2009年の新型インフルエンザ以来となります。
*重症急性呼吸器症候群(Severe acute respiratory syndrome; SARS、サーズ)は、SARSコロナウイルス (SARS-CoV) によって引き起こされる重症の呼吸器疾患です。 2002年11月から2003年7月にかけて、中国南部を中心に起きたコロナウイルス感染症で、広東省、香港を中心に8,096人が感染し、37ヶ国で774人が死亡しました(死亡率9.6%、世界保健機関WHO) 2.長崎市医師会は、長崎県感染症対策委員会へオブザーバーとして参加 2020年1月29日、長崎県庁で令和元年度(2019年度)長崎県感染症対策委員会(委員長:長崎大学中尾教授)が開催され、新型コロナウイルス感染症と今後の対応につきまして、意見交換がなされました。長崎市医師会は、オブザーバーとして参加致しました。 この委員会は、長崎市、佐世保市を除いた長崎県が対象であり、長崎市、佐世保市の保健行政、長崎市医師会はオブザーバーでの参加となります。 3.長崎市内の状況 日本国内では、関東、北海道、愛知県、関西、九州等で、中国湖北省、浙江(せっこう)省への渡航歴がない方で、新型コロナウイルス感染症が報告されております。長崎市は、豪華客船の寄港も多く、武漢も含めた中国からの旅行者が多数訪れていましたが、3月19日の時点で、入院が必要な重症の新型コロナウイルス感染症患者や軽症の感染症患者は確認されておりません。 長崎県内の壱岐で感染者が報告されましたが、関西で感染して、長崎で診断されたことが確認されております。
長崎市では、帰国者・接触者相談センター (長崎市保健所内 TEL:095−801−1712)が開設されており、市民からの相談が多数寄せられておりますが、「発熱外来」等の特別な受け皿は現時点ではありませんので、発熱がある方は、かかりつけ医へ電話で相談をして受診いただくようお願い申し上げます。 一方、長崎市医師会は、長崎市の委託で、栄町で夜間急患センターを運営しておりますが、新型コロナウイルスが、目からも感染することがあり、診察室で従来のマスク対応に加えてゴーグルの着用ができるようにしております。 感染対策へのご理解とご協力をお願い致します。 4.長崎市における新型コロナウイルス感染症疑い例への対応 新型コロナウイルス感染症の約8割は軽症のようですが、残念ながら、長崎での感染実態はわかっておりません。 確定診断には、PCR検査が必要ですが、湖北省や浙江省の中国人との接触歴や渡航歴や入院が必要な中等症以上の肺炎がなければ、原則として、検査対象とならないことが多いと思います。 3月に入って、保険適用でPCR検査が行えるようになりましたが、長崎市は、民間の検査会社への依頼ができない状況ですので、1日の検査件数の上限が増えておりません。
新型コロナウイルス感染症の疑似症疑いと長崎市保健所に判断されれば、指定感染症として扱われ、保険診療(公費負担)となりますが、そのためには、まず、かかりつけ医に電話でご相談いただき、帰国者・接触者相談センター(長崎市保健所内 TEL:095−801−1712)に相談されることをおすすめいたします。
新型コロナウイルス感染症患者の発症初期の症状は、発熱(37℃台の微熱を含みます)、体調不良、倦怠感、風邪様症状(咽頭痛)、咳、吐き気、嘔吐、下痢、等の症状がみられますが、通常のかぜ症候群、嘔吐下痢症などの症状と区別できません。
市民の皆様は、日頃より、手洗い、うがい等をていねいに行っていくことが望まれます。