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2009年11月2日掲載

やってみよう足裏マッサージ


 最近、足裏マッサージが注目されているようです。足裏の状態と体の健康との関係に注目した「リフレクソロジー」も提唱されています。

 足裏健康法は、4千年前よりエジプトや中国で既に行われていたようです。日本でも半分に割った竹を踏み、身体の疲労を取り除く「青竹踏み」が以前から行われてきました。私の診療所でも最近、足裏マッサージを取り入れ、それなりの効果を感じています。

 基本は「足裏は体の状態を表している」という点です。足裏がピンク色で、温かければ体調は大丈夫。赤みが強ければ、エネルギーが過剰であり、熱があったり、怒りを感じている場合といわれています。足裏が白い場合はエネルギーが不足しており、貧血や循環状態が悪い場合があります。

 医療現場でも、手足がぽかぽか温かい場合は呼吸や心臓の働きはよい状態です。逆に手足が冷たいときは末梢(まっしょう)循環が不良であって、呼吸や循環状態に何らかの問題があることを疑います。足裏の皮膚がカサカサで、魚のうろこのようにボロボロになっているときは、かなりストレスがたまっている場合が多いようです。

 足裏は「第2の心臓」といわれるように、身体の各部位とつながっているとされます。第T区(足指の部分)は頭と頸部(けいぶ)と関係があります。第U区(足裏の腹の部分)は心臓や肺を含む胸の部分、第V区(土踏まずの部分)は胃や腸、肝臓を含む腹部、第W区(かかとの部分)は腰や下肢−と関係があるといわれています。

 例えば、頭が重い人や肩がこった人には足指のマッサージを行い、腰が痛い人にはかかとの部分をマッサージすると効きます。

 ただ、マッサージを避けた方がよい場合もあります。足裏をケガしている人や、妊娠中の女性は腹部、腰に相当する部分はやめておいた方が安全でしょう。

 私が患者さんに足裏マッサージをしましょうと言うと、最初、多くの人が遠慮したり、抵抗感を抱いたりするようです。しかし、目的をよく理解してもらってからマッサージをすると、5〜10分後には眠り込む人が多く、「気持ちよかった」と言う人がほとんどです。次回からは抵抗なくマッサージを受けています。

 足裏マッサージは家庭でも簡単にしかも安全に行える良い方法だと思います。ご主人が家事で疲れた奥さまの足裏を優しくマッサージしてみてはいかがでしょう。

(長崎市江戸町、宮川外科医院 院長  宮川 尚孝)

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