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2010年10月18日掲載

皮膚がん

 私たちの皮膚にはさまざまな腫瘍(しゅよう)が発生しますが、良性のものと悪性の「がん」に分かれます。

 例えば、ほくろは良性になりますが、ほくろによく似たがんがあります。「メラノーマ(悪性黒色腫)」といい、足の裏やつめに多くできます。小さいうちに切り取ってしまえば心配ありませんが、大きくなると転移を起こします。

 ほくろとの区別はなかなか難しいですが、(1)大きくなって(2)形がきれいでなく、いびつ(3)色にむらがある−などがメラノーマを疑う所見になります。

 紫外線を浴びる顔面によくできるしみに似た「日光角化症」という浅い皮膚がんもあります。放置しておくと「有棘(ゆうきょく)細胞がん」という深い皮膚がんに進行することがあるため、注意が必要です。

 日光角化症は普通のしみと違い、角化というカサカサした部分があり、周囲の皮膚が少し赤く縁取られていることが特徴です。早期だと、比較的軽い治療で済みます。

 顔面には「基底細胞がん」もできます。これもほくろによく似ていますが、まぶたや鼻など顔の中央部にできることが多いがんです。盛り上がっていることが多く、中央がただれていることもあります。ゆっくりと大きくなることが多いようです。

 ほかにもたくさんの腫瘍が皮膚には発生します。皮膚は自分の目で異常を発見できる部分です。何かおかしいと思ったら、皮膚科医に相談してください。

(長崎大学病院皮膚科・アレルギー科 講師  小川 文秀)



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