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2010年10月18日掲載

アトピー性皮膚炎

 アトピー性皮膚炎の治療と聞いて、皆さんは何を思われますか。ステロイド外用剤が真っ先に思いつくのではないでしょうか。

 確かにステロイド外用剤は最も大切な治療法の一つです。ただ、ステロイド外用剤はその強さに五つのランクがあり、皮疹(ひしん)の程度や部位により、使い分ける必要があります。

 ほかには、タクロリムス軟こうという免疫抑制剤の外用剤が顔面を中心に広く使われ、効果を挙げています。最近では重症例に限られますが、シクロスポリンという免疫抑制剤の内服薬が使用できるようになりました。かゆみに対しては、かゆみ止めの内服を併用している場合が多いようです。

 薬物療法以外にも増悪因子の検索と対策、スキンケアも重要な治療として位置付けられています。以上のような治療はすべての患者さんに同じように当てはまるわけではなく、状態に合わせて変更する必要があります。悩まれている人は一度、皮膚科専門医に相談してください。

(長崎大学病院皮膚科・アレルギー科 講師  竹中 基)




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