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2011年10月17日掲載

「皮膚の日」に寄せて 来月12日、長崎で講演・相談会

『じんましん』あれこれ

 じんましんはありふれた疾患で、誰でも一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。じんましんには必ず原因があると思われるかもしれませんが、いくら調べても、多くの症例で原因ははっきりしません。特に毎日出現しているじんましんでは原因不明のことが多いようです。

 治療としては、主に抗アレルギー剤の内服を行います。多くの症例で比較的容易にコントロールできるようになります。

 一方、以前はなかったようなじんましんが最近見られるようになりました。

 例えば、小麦や甲殻類を食べても何ともないのに、食べた後に運動するとじんましんやショック症状を起こす「食物依存性運動誘発性アナフィラキシー」。ゴム製品でじんましんが出る人がバナナや栗、キウイなどを食べると症状が出る「ラテックス・フルーツ症候群」や、花粉症の人がリンゴや桃を食べると口や喉にじんましんや違和感を生じる「口腔アレルギー症候群」もあります。

 納豆や保存しておいたお好み焼き粉に含まれるダニ、サバなどの寄生虫アニサキスによるじんましんも報告されています。

 このようにじんましんには原因不明のものから、予想もしない物へのアレルギーまでさまざまなものがあります。気になることがあれば自己判断せず、皮膚科専門医に相談してください。

(長崎大学病院皮膚科・アレルギー科 講師  竹中  基)

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