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2014年3月3日掲載

「入園・入学に備え」


 これから入園・入学のシーズンになります。新入学・入園を控えたお子さん、お孫さんを持つ方々はさまざまな準備に追われていることと思います。さて、今回は小児科医の立場から新入学・入園の備えについてお話をさせていただきます。

 まず保育園・幼稚園に入る前には年齢にあった予防接種をできるだけ済ませておきましょう。

 1歳前にはインフルエンザ菌b型(ヒブ)、肺炎球菌、四種混合(ジフテリア、破傷風、百日ぜき、ポリオ)、BCGがあります。1歳を過ぎたらヒブ、肺炎球菌、四種混合の追加接種と麻疹・風疹、それと任意接種ですが水ぼうそう、おたふくかぜの予防接種があります。3歳を過ぎたら日本脳炎が接種できます。

 集団生活の中で、子どもたちは互いに触れ合い、風邪もうつしあって、それぞれが免疫力を鍛えていきます。しかし、その中でも重篤な感染症にはかからない方がよいことは言うまでもありません。予防接種はそれらの感染症に対する最も有効な対策です。ただ、今は種類も多く、スケジュールが非常に分かりにくくなっています。何を受ければいいか分からない場合はかかりつけの小児科医に相談してください。

 小学校入学前に済ませるべきワクチンが麻疹・風疹ワクチンの2回目です。2回目は年長さんになってから小学校入学前までの1年間のうちに接種しなければなりません。今春、新1年生になられるお子さんは3月中に必ず受けてください。

 中学校に入る前の年(11歳から12歳)のお子さんは、二種混合(ジフテリア、破傷風)を受けましょう。中学校に入ってからでも受けられますが、13歳を超えると公費で接種できなくなります。中学生になると何かと忙しく、忘れてしまいがちですので、11歳の誕生日を迎えたら早めに接種することをお勧めします。

 新しい環境、新しい友達に囲まれた生活は新鮮で刺激的な分、ストレスもあります。幼稚園や保育園から小学校に入ると、これまで以上に高度な規律を要求される生活になります。中には新しい環境になじめない子が出てきます。親離れが難しい、じっと席に座っていられない、注意力が散漫、字を書いたり読んだりすることが極端に苦手−などさまざまです。

 そんなときには、まず学校の先生とよく話し合いましょう。「どんなときに、どのような問題があるのか」を把握することが最も重要です。その子にあった支援や環境づくりが必要かもしれません。場合によっては専門医への相談が必要になることもあります。

 もともと病気を持っていたり、アレルギーがあったりするお子さんの入園・入学となるとさらに不安なものです。普段の状態と症状が出たときの状態について事前に学校側としっかり話をしておく必要があります。症状が出たときの対処については、かかりつけ医に相談してから学校側に伝えるようにしましょう。

 4月からの新生活が楽しく、喜びに満ちたものとなることを心よりお祈りいたします。

(長崎市滑石2丁目、りゅうキッズクリニック 院長  劉 美成)

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