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2014年10月6日掲載

「あなたのコンタクト大丈夫?」

 若い女性を中心にカラーコンタクトレンズ(以下カラコン)の使用が増えています。瞳の色を変えたり、目を大きく見せたりとファッション性に優れている半面、それに伴う眼障害が社会問題にもなりつつあります。

 カラコンは最近ではインターネット、量販店、雑貨店などでも気軽に購入することができますが、不具合を生じた場合、人体への影響が大きいと位置づけられている高度管理医療機器でもあります。誤った使い方をしたり、選び方を間違ったりすると大変な障害を残すことがあります。

 一口にカラコンといっても多くの種類があります。透明な通常のコンタクトレンズ(以下コンタクト)と変わらない品質のものから、酸素透過性が低く、十分な酸素が目に届かないために、目の障害を起こしやすいものまでさまざまです。

 着色部分にも問題があります。着色された部分が直接目に触れないようにレンズの間に色素をサンドイッチしているものは比較的安全ですが、中には表面に着色していて色素が目の中に溶け出したり、張り付いたりするものがあります。

 先日、カラコン使用中に痛みを感じて来院された方の目を診ますと、黄色や茶色の色素がべったり目の表面に張り付いており、黒目の表面をはぎ取らないといけない事態になりました。

 そのレンズをこすってみますと、色素が溶け出してしまいました。レンズの説明書を読むと、驚くことに高度管理医療機器の承認を受けている物でした。承認を受けているレンズでも安心はできないということです。

 たくさんのレンズの中から自分の目に合った安全なレンズを選ぶことは目の健康を守る上でとても大切なことです。

 しかし、今、カラコンを使用している中高生のお子さんの約6割が購入の際に眼科を受診していないという報告があります。通常のコンタクトにも言えることですが、自分に合った、安全性の高いレンズを使用するために、眼科での検査、処方を心掛けていただきたいと思います。

 せっかくいいレンズを購入しても、使い方が間違っていては目の健康を損なう原因となります。

 使い捨てのコンタクトには1日、2週間、1カ月使用などのタイプがありますが、必ず使用期限を守り、洗浄、消毒をして使いましょう。使用期限を過ぎるとコンタクトは劣化し、トラブルが起きやすくなります。こすり洗い、消毒が不十分だと菌の温床となり、重篤な感染症を起こすことがあります。

 コンタクト購入時には装脱練習を行い、適切な使用方法の指導を受け、正しい使い方をマスターしてほしいと思います。

 おかしいなと異常を感じたら、すぐにコンタクトの使用をやめ、眼科医の診察を受けてください。また、何もなくても、目の状態に変化がないか、度数の変更はないかなど定期的な検査を受けられると安心です。

 目は一生ものです。大切なあなたの目を守るために、今日からコンタクトの使い方を見直してみましょう。

(長崎市畝刈町、くろき眼科 院長  黒木 明子)

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