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2021年12月20日 掲載

「健診と検診」

結果見てきちんと対応

 よく「ケンシンを受けましょう」と言われることがありますが、「ケンシン」は、漢字で書くと健診と検診の2種類があります。

 健診(健康診断)は元々健康な人が受けるもので、主に会社で毎年受けなければならない検査です。 身長 体重 視力 聴力 血圧 心電図 胸部エックス線 血液 尿 便−などを検査します。胃の検査や腹部エコー検査をするコースもあります。

 それぞれの項目の結果で「異常なし」「軽度の異常」「異常あり経過観察」「要治療/要精密検査」などと判定されます。「要治療/要精密検査」という判定になれば、医療機関の受診を勧められます。

 一方、検診とは、特定の臓器の病気がないか調べる検査で、その種類はたくさんあります。

 例えば長崎市のがん検診としては▽肺がん 胃がん 大腸がん 乳がん 子宮がん 前立腺がん 胃がんリスク−の各検診があり、対象年齢や受診間隔がそれぞれ決まっています。健診の時に一緒に申し込んで受けることが可能です。 検診で精密検査が必要との結果が出たら、専門の医療機関を受診してください。

 健診/検診に関してお伝えしたいことを以下にいくつか挙げておきます。
 (1)後日送られてくる結果は全部よく見てください。せっかく受けた検査です。一喜一憂するだけでなく、引っかかった項目があればきちんと対応してください。

 (2)「前と変わらないから自分はこれが普通だろう」とか、「自分はこれぐらい大丈夫だろう」とか思いこんでいる人がいるかもしれませんが、自己判断しないで結果を謙虚に受け止めてください。

 (3)できるだけ同じ施設でチェックを受けた方がいいように思います。転勤などで健診/検診を受ける場所が変わった人は、できれば以前の結果を探して持っていってください。非常に参考になります。

 (4)病気の治療中であったり、治癒後に経過観察中であったりする人も、それ以外の病気にかかる可能性はあります。それらの早期発見や予防につなげるようにチェックするのが目的ですので、通院中の人でも健診/検診を積極的に受けられることをお勧めします。

 (5)病気やけがで病院にかかるわけではないので、健診/検診の費用は健康保険が使えません。つまり、全額負担となりますが、会社が一部または全部負担してくれたり、国や自治体が負担してくれたりすることもあります。対象者に無料クーポン券が送られてくることもあります。

 (6)注意すべきは、何かの自覚症状がある人や、既に治療中・経過観察中の人は、その病気を調べる検診の対象ではないということです。このような時は医療機関で診察や検査を受けてください。健康保険が使えます。

 (7)検診はお住まいの自治体でしか受けられないことがあるので、自治体の広報誌やホームページなどを見て確認してください。

(長崎市淵町)十善会病院健康管理センター 部長  入江 真

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