病気一口メモ
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『貼布剤(シップ)についてのお話』
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山本整形外科 山本 尚幸
みなさんは身体の疼痛に対して貼布剤を使用されることがあるかと思います。
今回はその種類、注意点についてお話させていただきます。
貼布剤には非常に多くの種類があって、いろいろな分け方があるのですが、まず、薬剤効果の面では、第1世代と第2世代に分けられます。
第1世代といわれているものは、サリチル酸というものが主成分で、スーとするにおいがするものです。消炎鎮痛成分(痛み止め成分)は入っていません。第2世代は飲み薬と同じ消炎鎮痛成分が入っているものを言います。消炎鎮痛成分が皮膚から吸収され、病巣へ到達する濃度は飲み薬に匹敵するとの報告もあります。最近は第2世代のものが主流となり、約9割を占めています。
濃度はやや薄いのですが、数年前から一般の薬局でも購入することができるようになりました。(最近、貼布剤の広告が増えた気がしませんか?)
そして、いわゆる冷感タイプ、湿感タイプの貼布剤に分けられます。よく、患者さんに冷やす方の湿布がいいですか?暖める方の湿布がいいですか?と質問されることが多いですが、実際のところは、皮膚の温度の差はほとんどなく、皮膚温度を調整する目的では使えないということです。慢性の疼痛に対して湿感タイプのピリピリした刺激性を求めるかどうかで、好みで選んでもらってよいと思います。
最後に貼布剤の一番の副作用は皮膚の障害です。それを避ける方法としては、2枚貼る時には少し間隔をあけ、ずっと張りっぱなしにしないように間に時間をとって貼るようにしましょう。
テープタイプの貼布剤の中には、はがした後に日光に当てるとヤケドのようになるものがあります。薬局で説明されるはずですから、覚えておいて下さい。
従来のものと違って今出ている第2世代の貼布剤は積極的な鎮痛剤であることを理解していただき、皮膚の症状に注意しながら正しく使いましょう。
何か疑問なことがありましたら、かかりつけ医、調剤薬局へお尋ね下さい。
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