病気一口メモ

『免疫力と健康について』

大村・東彼薬剤師会  小松 正博

 


 二十一世紀になり、日本は高齢化社会のピークに差しかかりました。平均寿命が高いのは、大変喜ばしい限りです。しかし長生きができたとしても健康を害して自分が望む生活が出来ないのでは、生きる喜びも楽しみも半減してしまいます。「笑顔で元気な毎日」これは私のモットーですが、この毎日の積み重ねが健康に生き抜くポイントと考えます。
さて、世の中には病気になりやすい人と、多少の事では病気にならない人がおられます。例えば風邪のウィルスが体内に入り込むとウィルスに対する抵抗力がないひとはすぐに風邪を引いてしまいます。
この抵抗力の事を「免疫力」といいます。免疫力が高い人は病気を自然に直す力(自然治癒力といいます)が備わっており、その力がウィルスを抑えてくれます。しかしその免疫力は常に一定のレベルではなく、様々な要因により上下します。免疫力は生後徐々に上昇し、二十代をピークに年々下がります。免疫力低下に影響を与えるものとして様々な要因があげられます。睡眠不足や運動不足、栄養の偏りなど生活習慣によるものや環境汚染などの外的な要因、さらに現代特有のストレスが影響します。身体の中で免疫力に最も大きく関わっているのが自律神経です。自律神経には交感神経と副交感神経という二つの神経系統があり、私たちの意志ではコントロールできません。一言でいうと交感神経は興奮させる働き。逆に副交感神経はリラックスさせる働き。この二つの神経のバランスを保つ事が免疫力を高めるといわれております。それにはストレスを軽減する事が鍵となります。また細胞内では、免疫細胞の白血球のひとつであるナチュラルキラー(NK)細胞の活性値がよく指標にされます。
笑う事によりこの活性値が上昇します。まさに「笑う門には健康来る」と言えます。また体温も少し高いほうがよく三十六度五分前後が理想です。
これからの季節、特に身体を冷やさないように注意しましょう。バランスのとれた食事や睡眠、入浴、深呼吸なども免疫力を高めます。最近は、免疫機能調整のためのサプリメントもあり、上手な選択が必要です。病気にならないための普段からの対策や工夫を心がける事は健康づくりへの大切な第一歩です。

 

 


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