病気一口メモ

コンタクトレンズの取扱いについて

東彼杵郡医師会  三島 一晃

 


 コンタクトレンズ使用者は年々増加し、最近では違和感の少ない使い捨てレンズの出現によりインターネットなどでも簡単に購入する事ができるようになりました。しかしながらコンタクトレンズによる眼障害が増えているのも事実であり、2005年の薬事法の改正で高度管理医療機器に指定されました。これは人工透析、人工呼吸器などと同じ取扱いになったという事です。たかが、コンタクトレンズで大げさなという人もおられますが、なめてかかると大変な事になります。緑膿菌、真菌、アメーバーなどによる感染症やコンタクトレンズの不具合による角膜障害、角膜内皮細胞障害などがあり、これらは重篤になると視力低下どころか角膜移植まで必要になってきます。見やすくするためにコンタクトレンズを使っていたのに管理を怠っていたために見えにくくなり、おまけに手がつけられなくなる症例も少なくありません。
コンタクトレンズを使用していて充血や痛みがあるときはすぐに外してください。我慢は最大の敵です。流涙、目やにがあるときは角膜が傷ついていたり、感染などが起きている可能性がありますから眼科で相談されることをお薦めします。使い捨てのコンタクトレンズも安心は出来ません。必要以上の連続装用や、洗浄不良などは眼障害の最大の原因とされています。これは風呂にも入らず、汚い下着をいつまでも着けているのと大差ありません。まず、必ず定期的に眼科の検診やコンタクトレンズの状態のチェックを受けることが重要です。忙しいのは分かりますが、自分の目ですから大事にしてあげてください。また、最近ではカラーコンタクトレンズをつけている若者を見かけますが、眼科医の立場から申し上げればあまりお勧めできる代物ではありません。酸素透過性にも問題があり、つけたままでMRI検査を受けると角膜熱傷を起こすことがあります。使用する場合は自己責任ということを十分に認識してください。コンタクトレンズは眼鏡より優れた点も多いのですが、コンタクトレンズを使用する際は必ず眼鏡も作成し、眼を休ませてあげる事が重要です。

 


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