病気一口メモ

お酒の功罪


鈴木病院 須山Dr



 各種の酒類には2〜60%のアルコールを含み、日常嗜好品として飲用されて居ます。お酒はストレス解消、会話を豊かに、人間関係を円滑に、食欲増進等の効果が有る反面、交通事故、若者の一気飲み等反社会的問題や、アルコール依存症、臓器障害等の疾病を起こす恐れが有ります。この功罪を認識して弊害を防ぎましょう。
 飲用したお酒は1部は胃で、大部分は小腸で吸収され、其の95%は肝臓で2種類の酵素により酸化され、更にアセトアルデヒド・酢酸から最後に水と炭酸ガスに分解され、残りは呼気・尿・汗から排泄されます。
 空腹時にウィスキーや焼酎等飲むと胃で吸収され、急に酔いが回ります。高濃度のアルコールは吸収も早く急激に酩酊し、風邪薬や安定剤と一緒に呑むと、酵素が不足して急激に酩酊に陥る事が有ります。アルコールは一種の麻酔薬で、脳の機能を抑制し酩酊します。
 血液中のアルコール濃度が上昇すると共に生命維持に係らない部位から、重要な部位に麻酔が進み、千鳥足・言語障害・知覚鈍麻に続き、昏睡から遂には呼吸や心不全で死亡します。飲酒運転事故は初期の酩酊状態の時起こります。是は気が大きくなるのと、判断が遅れる為です。
 お酒に強い人、弱い人、全く飲めない人が有って、弱い人はアセトアルデヒドが血中に増える結果で、分解酵素の活性が弱いか全く働かない為です。お酒に強い人は多量に飲めるため、依存症や肝硬変等の臓器障害になる危険性が有ります。
 毎日清酒五合を十年続けると、肝硬変に為に更に肝癌に進行すると言われます。お酒と楽しく付き合う十カ条(アルコール健康医学協会)で適性飲酒を心掛けましょう。
一、 笑いながら楽しく
二、 ゆっくり自分のペースで
三、 食べながら飲む
四、 自分の適量に止める
五、 週に二日は休肝日
六、 人に無理強いしない
七、 薬と一緒に飲まない
八、 強いお酒は薄めて
九、 夜十二時前に止める
十、 肝臓等の定期検査を
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