病気一口メモ

『子供たちを感染症から守るために』

東彼杵郡医師会    坂口 耕三

 


 予防接種は感染症に他する免疫を持たない感受性者あるいは免疫のブースター効果を目的とする人を対称に行われるもので、感染予防、発病防止、症状の軽減、病気のまん延防止などを目的としています。

 平成20年4月より麻疹と風疹の混合ワクチンの接種法が変わりました。

 1歳から2歳までの幼児・中学1年生・高校3年生が対象となりました。ワクチン接種料は無料です。

 麻疹は、平成18年4月頃より茨城県南部、千葉県において地域流行が認められ、小・中・高校・大学での集団発生がいくつかありました。また、平成19年度には埼玉、東京で増加し、全国へ拡大しました。

 麻疹は約10日位の潜伏期間の後に発病、咳、鼻汁、目の充血、全身への発疹が出現し、その後気管支炎、肺炎になりやすい怖い伝染病です。まれに脳炎になることもあります。

 風疹は”3日はしか”ともいわれ、2〜3週の潜伏期間の後、発疹、発熱、リンパ節腫脹などの症状を見ますが、それほど怖い病気ではありません。しかし、妊娠初期の妊婦が風疹にかかると、生まれてくる赤ちゃんは難聴、心疾患、白内障、精神運動発達遅延などいわゆる先天性風疹症候群という病気をもって生まれてくることがあります。こわいですよ。

 平成15年から一部の地域で流行し、平成16年にはわが国で10名の先天性風疹症候群の報告があります。以前は風疹も単独のワクチンでしたが、予防接種率が低かった為、麻疹ワクチンと混合したワクチンになりました。しかし、一回の接種では十分でないために、小学校へ入学する前に2回接種することになっていますが、中学・高校生が十分でないため、今年から4年間、中学1年生と高校3年生を接種するよう定期予防接種となったわけです。

 アメリカでは、麻疹は出現していません。それは予防接種率を100%になるよう努力したからです。アメリカもお隣の韓国も麻疹ワクチンを接種していない子供は、小学校へ入学できない法律がある程厳しくしています。

 対象者の方でまだ受けていない方は、なるべく早い時期に受けてください。特に高校生が余りうけていません。

 


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