病気一口メモ

統合失調症についての正しい知識と理解

東彼杵郡医師会    鈴木 治徳

 


 ○ 100〜120人に1人がかかる病気です。
    決してまれな病気ではありません。

○ 原因は脳内の神経伝達物質の一つであるドーパミンの調整の悪さとストレスなど
様々な要因に起こることが知られています 。つまり脳の情報伝達物質の混乱が
   生じているわけです 。

○ どの様な症状が出るのでしょうか。
   実際にはいない自分の悪口などが聞こえてくる。幻聴といいます。
ありえないことを現実と思い込んでしまう。妄想といいます。
   些細なことで怒ったり、取り乱したりする。感情の不安定さなどがああります。

○ どのような治療が必要でしょうか。
お薬が必要です。主に抗精神薬でドーパミンの調整をします。
休息が必要です。ストレスから離れ、ゆっくりと心と体を休めましょう。

○ お薬は症状が出た時だけに必要でしょうか。
きちんと飲み続けることにより再入院の割合が格段に減少します。
発症して早期に飲むと脳の萎縮が進行すると考えられています。

○ 抗精神薬は副作用を伴うことがあります。
手足、舌などがこわばって動きにくい。手や体が規則的にふるえる。動作がぎこち
   ない。体が落ちつかず、じっとして座ることが出来ない。自律神経症状として、便秘
   口が渇く、尿が出にくいなどです。このような副作用や不快な症状が現れた場合、
   自らの判断で服用をやめたり、量を減らしたりしないでください。主治医に相談して
   ください。

○ 治療は単一ではありません。
薬物療法、精神療法、リハビリテーションが3本柱です。医師、看護師、薬剤師、
   心理士、精神保健福祉士、作業療法士などが協力をします。

○ ご家族の支援が重要です。
病気について正しい知識を持ちましょう。統合失調症は、治まらない、普通に生活
   できないといった誤解や偏見が未だに強い病気です。身近なご家族が大きな支え
   となります。育て方が悪くて病気になったと責めないでください。ご本人のつらい
   状態を理解して毎日の服薬ができるように手助けをしてください。

○ ご本人とご家族を手助けする制度や人のつながりがあります。
ひとつは障害者自立支援法です。また地域の家族会もあります。

 


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