病気一口メモ

『皮膚腫瘍について』

東彼杵郡医師会   石川 博士

 


 「できもの」があるんだけれど、これってどうしたらいいのかな?という方はいらっしゃいませんか?

 

<これって悪い「できもの」なの?>

 どんな時に”癌”を疑うかといいますと、急に大きくなる、急に盛り上がる、急に色が変わるなど”急に”変化がああった時です。逆に数年間、大きさも色もほとんど変わらないものは悪性の可能性は低いと言えるでしょう。

 「心配だけど痛くないから様子をみておこう」ということも結構みうけます。”早期発見、早期治療”が癌治療では重要です。確実な診断方法として病理検査があります。「できもの」の一部をとって細胞の”たち”をみる方法です。早期癌の場合では切除のみで術後化学療法などの補助療法も不要です。もちろん小さいうちに手術したほうがキズも小さくすみます。

 まずはお近くのかかりつけの先生に診てもらってください。当院など皮膚科専門医のいる病院へご紹介くださると思います。

 

<良性ならほっといていいの?>

 これは個々の病例ごとに考える必要があります。良性といえ徐々に大きくなることによりあとでトラブルにつながることが予想される場合は、「できもの」が小さいうちに手術をおすすめします。見た目が気になる場合や「できもの」が大きくなったために圧迫されて痛みを伴ったりひきつれたりする場合は勿論、手術の対象となるでしょう。

 

<手術の対象と方法>

 皮膚癌や皮膚良性腫瘍、母斑(ほくろの仲間)などが対象となります。ほとんどの症例では局所麻酔(「できもの」のまわりに麻酔薬を注射してしびれさせる)して「できもの」を切り取ります。「できもの」が大きい場合などに全身麻酔をして手術することもあります。当院でできる症例では手術時間は1〜2時間程度ですむことが多く、小さな「できもの」の場合、日帰りで行うこともおあります。単純縫縮(「できもの」をとって皮膚を縫い寄せるだけのシンプルな方法)の場合では数日の入院、「できもの」が大きい場合などでは植皮(別のところから皮膚をもってきて貼り付ける)や皮弁(まわりの皮膚に余裕があれば、その皮膚を回し込んだり引っ張ってきたりする方法)などの場合では1週間から2週間程度の入院が必要です。

 

 

 


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