病気一口メモ

『副鼻腔炎・アレルギー性鼻炎』

東彼杵郡医師会    野中 シゲ

 


 

副鼻腔とは、鼻の周囲に接続している骨の空洞のことです。細菌によってその粘膜が炎症を起こすと副鼻腔炎になります。アレルギー性鼻炎は、何らかの原因物質(例えば花粉・ダニ・ハウスダスト)即ち抗原と体の中の抗体とが抗原抗体反応を、つまりアレルギー反応を起こすことによります。これをアレルギー性鼻炎といいます。

 花粉症とは、アレルギー性鼻炎の中の季節性のものです。もう一つ、通年性アレルギー鼻炎とは、ダニやハウスダストに原因して一年を通して症状のあるものです。日本列島の花粉はスギに代表されますが、夏には夏、秋には秋のいろんな花粉が一年中空中を飛んでいます。特にスギ・ヒノキの花粉症の方は、絶対来年はシーズン前(1月下旬)から予防薬を服んで楽に過ごすようにしましょう。

 学校検診も以前よりアレルギー性鼻炎が多くなりましたが、副鼻腔炎もあります。頭が重い、頭痛がするなどで勉強や仕事に集中できなくなるのが困りものです。学校からお知らせの紙を渡されたら、最初はご家族のどなたか同伴されてから受診されるようお願いいたします。

 アレルギー性鼻炎の方は、血液検査で自分の抗体の結果を知っておかれる事が重要です。治療を放置し、加えて副鼻腔炎になっている方もいらっしゃいます。何れにしても鼻づまりがひどいと、口呼吸(口を開けて呼吸)になり、のどが痛くなります。口呼吸があれば早めに治療しましょう。

 嗅覚は人間の五感の一つで、弱くなったり、なくなったら人生の楽しみはぐっと減りますよね。鼻の奥の天井に臭細胞(犬は人間より発達している)が有りますが、香りがしない、更にご自分であまり意識しないで過ごしていた方もいらっしゃいます。それが末梢性のものなら、早く治療すればする程回復もしやすいのです。

 これらの疾患は、かかり易い遺伝的要素が確かにありますが、治療する傍ら日頃から次のことに心がけ、免疫力をつけていきましょう。

一、生活リズムを整える。

二、自分なりのストレス解消法を持とう。

三、規則正しい食事。しかも楽しくする。

 良い習慣が、身体と人生を支配するとのことです。

 


ページのTOPへ