病気一口メモ

整形外科とは

東彼杵郡医師会    八並 信

 


1 歴史

 整形外科の歴史は、1741年バリー大学の内科学教授”ニコラスアンドリー”の「整形術」に始まります。日本では、明治39年に東京大学で整形外科の講義が開始されています。以後の発展には、レントゲン線の発見、ギプス包帯の治療への応用、CTやMRI等の痛みを伴わない背骨や関節の検査、細菌では手術器具の改良により保存療法とともに運動器の障害に対して貢献しています。

 

2 整形外科の守備範囲

 整形外科が治療する病気は背骨や手足の関節、筋肉など身体を動かす器官すなわち”運動器”の疾患です。腰痛、膝関節痛をはじめ四肢の関節疾患、頚や肩の痛みや凝りそして打撲、捻挫、骨折などの外傷です。私たちはこれらの訴えを基に必要な検査を行い、正しく診断し適切な治療をう行うように日頃より心が得ています。その上で高度の医療が必要な場合には専門医師へ紹介し治療を依頼することにしています。

3 整形外科治療

 本来の治療は手術よりも装具などによる治療が主流です。身近には、腰痛に対する腰部固定バンド(コルセット)、膝の痛みに対する膝サポーターや足底板、スポーツ障害に対するテーピング、骨折に対する適切なギプス装着、そして不幸にて切断された足に対しては歩行を助ける義肢の作成などです。一方整形外科の手術療法は、術後のリハビリも必要なので、かなり長期間の入院を要します。従って経済的負担もかかりますので、私達はまず身体障害者手帳の作成をお勧め致します。それを利用することで更生医療法の適応を受けられ病院での治療費の負担が軽減されます。

4 老齢化に対する整形外科医の使命

 今日の長寿社会で「明るく活動的に人生を全うする」には、健康的な運動器が最も大切です。それには、日頃より四肢の筋力増強に努めることが必要です。具体的には、1,椅子に座って膝を5秒間伸ばす事 2,1分間の片足立ち 3,椅子よりゆっくり立ちあがることなどです。これらの訓練により転倒が防止でき自信を持って楽しい歩行が維持出来ます。

 

 

 


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