病気一口メモ

『お口の健康と体の健康との関係について』

大村東彼歯科医師会   大安 努

 


 毎日の食事や楽しい会話のために大切なお口の健康ですが、全身絵の影響があることはあまり知られていないかもしれません。

 そこで、いくつかの疾患に、お口の病気が影響している例をご紹介いたします。

(1)糖尿病と歯周病との関係

 

歯周病は慢性炎症性の疾患であり、血液中にインスリンの働きを阻害するような物質が増加するため、血糖値が上がりやすくなります。

 また、糖尿病による唾液減少や抵抗力の低下などにより、歯周病も進行しやすくなります。このように、 糖尿病と歯周病は相互に影響試合、悪化しやすい関係にあるといえます。

(2)心臓疾患とむし歯との関係

 むし歯も進行すると、原因の細菌が血液中に入り込み、全身を巡ります。

 もともと心臓に疾患があったりする場合は、これらの最近が原因の心内膜炎なども引き起こされやすくなります。

(3)肺炎とお口の最近との関係

 高齢者の死亡原因の多くは「肺炎」です。そのなかでも注目されているのは、不潔になっているお口から、気管を通って肺の中へ細菌が侵入し、肺炎を引き起こすという”誤嚥性肺炎”です。誤嚥(誤って、気管の方へ食べ物や唾液を飲み込んでしまうこと)は、どうしても少しは起こってしまいますから、普段からお口を清潔に保つことで、肺炎予防になります。

(4)インフルエンザとお口の細菌との関係

 インフルエンザウィルスは、喉の粘膜にくっついて感染しますが、お口の中にTLPという酵素が多いと、よりくっつきやすくなります。このTLPは、いろいろなところで作られますが、歯周病の原因となる細菌からも出されます。要するに、お口の中が不潔で歯周病があると、インフルエンザに感染しやすくなるということが分かってきています。

 

 他にも、早産、ある種の皮膚病、関節炎などとお口の病気との関係が知られて生きています。

 このように、お口の病気を放置しておくと知らない間に全身へも影響することもありますので、ぜひ、お口のことで気になるところがある方はお早めにかかりつけの歯科でご相談されてください。

 特に歯周病は痛みが出ないことも多く、気づきにくいので、定期的なお口の健康診査がおっすめで。

 

 

 


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