病気一口メモ

『いろいろな薬の形』

大村東彼薬剤師会   濱田 英水

 


 なぜ、薬にはいろいろな形があるのでしょうか(剤形といいます:内服薬、坐剤、点眼薬など)?答えは投与する場所や経路によって形が異なるためです。薬は有効成分(薬理効果はないが安全で薬を形づくるのに必要な混ぜ物)などを配合したものです。これを製剤化といいます。製剤化の目的は、科学物質としての薬がそのまま投与されたのでは@有効性、安全性および安定性が保証できない、A臭いや味が悪い、Bmgなど少量の投与のために調剤が難しい(誤差が起こりやすい)などを回避するためです。

主な剤形の特徴

 内服薬は種類が多く、剤形も豊富です。剤形やカプセル剤、散剤(粉薬)、顆粒剤、シロップ剤などがあります。特に錠剤は、投与が容易、持ち運びがしやすい、保管もしやすいなど利便性も良いことから様々な特徴を持ったものがあります。胃では溶けずに腸内に運ばれて始めて溶けるタイプのもの(腸溶剤)、長時間薬効が持続するように工夫をしたもの(徐放剤)唾液で速やかに溶けるタイプのものなども開発されています。腸溶剤や徐放剤を潰したりすると、全社では胃で溶けてしまい胃酸で薬が分解されて効果がなくなったり、胃に負担がかかったり、また後者では徐放性の製剤が早く溶けて効きすぎて副作用が出たり、効果が持続しないために期待した治療効果が得られなかったりします。注射剤は薬を直接体内に入れることができ、即効性と確実な効果が期待できます。貼付剤(貼り薬)には肩こりなどに使われるシップ薬など身体の限られた場所に効くもの(局所作用)や、心臓病などに使われる全身的な作用を目的としたものがあります。

 このように薬にはいろいろな剤形があり、それぞれ特徴があります。ご自分の服用・使用されている薬の特徴を知っておきましょう、製剤化してあっても日光に弱かったり、熱や湿気に弱かったりします。また、そのままでは服用しにくい、使いにくいなどあっても自己判断で潰したり、自己流で使ったりしないようにしましょう、分からないことがあれば、ぜひ、医師や薬剤師にご相談ください。

 


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