病気一口メモ

今回のインフルエンザ流行で思った事

東彼杵郡医師会    松村 暢之

 


今年も一月からA型インフルエンザが波佐見町を中心に大流行しました。

 昨年の夏にオーストラリアで香港型のA型インフルエンザが流行したため同型の流行が予想されていました。(オーストラリアは南半球で日本が夏の時期は寒い冬です)

 でも予想に反して日本では昨年と同様に新型インフルエンザが流行したようです。

 今年は子供達に大流行した去年とは違い成人(特に20〜40歳)に多く発症したことが特徴の一つでした。去年インフルエンザに罹らなかった年齢層を中心に流行したようです。

 今年もインフルエンザのワクチンは有効だったようです。夫婦で罹患した例でもワクチン接種済みの奥さんは37℃台の発熱でしたが、ワクチン接種しなかった夫は39℃以上の発熱で苦しんでだようです。ワクチン接種のお陰で簡易テストではA型インフルエンザが陽性でしたが36℃台の平熱と軽い感冒症状のみで受診した小学生もいました。

 ワクチンを接種してもインフルエンザに罹らないわけではありません。でも症状が軽くて済むならば、毎年のワクチン接種は積極的に受けたほうが良いと思います。

 今年はインフルエンザの新しい吸入治療薬が発売され、その効果も期待通りでした。

 吸入さらえた新薬は肺や気管支で直接的にインフルエンザウィルスの増殖を抑制します。

 この新薬は代表的治療薬のタミフルが原則的に服薬を禁じられている10歳代の子供達にも使用が可能です。

 それに10歳未満は2吸入、10歳以上は4吸入すれば当日のみで治療が終わります。

 まだ使用経験が少ない新薬ですが今後も治療効果が期待できると思いましたl.

 そろそろ暖かくなってくる季節です。そしてA型に変わってB型インフルエンザが流行してくる季節でもあります。

 A型に比べてB型インフルエンザはあまり感冒症状(咳・鼻)が強くなく、高熱が出ない事もありますが、腹部症状(下痢・腹痛)を伴う事が多いようです。

 でも予防方法あA型と変わりません。流行時のマスク着用と外出後のうがいや手洗いが大切です。

 これからも毎年のワクチン接種と流行時の予防対策を心がけてインフルエンザに罹らないよう気をつけて下さい。

 


ページのTOPへ