病気一口メモ

『手足のいぼ

 


   病気の中には、これは何んだろう?と思いながら長期間放置されているうちに増悪して治りにくくなる病気があります。その一つに「いぼ」があります。いぼは手指の先端や爪の周りにできやすく、2−3mm〜10mmほどの表面はザラザラした家宅白ぽい結節です。一は小さくて1本の指にあるだけですが、放置していると複数の指に広がり、一つ一つの病変も大きくなってきます。足の指や足底にも同じようにできます。指先や爪の周りのものは、固く盛り上がる事が多いですが、足底のものはあまり盛り上がらず、形が丸っぽく歩くと痛いため、魚の目と間違われることがあります。

魚の目は、いぼより平で表面がなめらかです。それに対していぼは、同じ円形でもよく見ると形がいびつな傾向があります。いぼの表面には、黒い点が点々とあることがあります。これは下方の血管が見えていて、いぼに特有で削ったときに出血しやすいという特徴があります。

 いぼは、いぼウィルス(ヒト乳頭腫ウィルス)が皮膚に住み着くウィルス感染症です。爪の周囲がささくれている人やアトピー性皮膚炎で皮膚がカサカサ乾燥して荒れている人は皮膚の防御機能が弱く、いぼウィルスに感染しやすくなります。掻いたり触ることによって病変は徐々に拡大します。

 今のところ、手足のいぼに直接効果のある薬はありません。いぼに最も有効とされている治療は、液体窒素でいぼを凍らせる治療です。手軽に出来る治療ですが、強い疼痛を伴う事が欠点です。ヨクイニンという漢方薬もい効果があるので液体窒素の治療効果を高めるために併用することがあります。その他には、サリチル酸や尿素軟膏の外用も有効と言われていて併用することがあります。

 子宮頸がんの原因が、いぼウィルスということで、今年から感染予防のためのワクチン接種が始まりました。いぼウィルスには多くの型があり、この手足のいぼを起こすウィルスは、子宮頸がんを起こすウィルスとは型が異なり、癌を起こすことはないと考えられています。しかし、放置すると難治療化し、多発すると生活の質が低下しますので早めの治療が肝要です。

 


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