病気一口メモ

『睡眠時無呼吸症候群について』

東彼杵郡医師会   金澤 一

 


 最近、睡眠時無呼吸症候群の方を診ることが多くなりました。

 きっかけは高血圧で受診された方の家庭血圧測定を行うと、早朝時に血圧が高くなることや、原因が不明の心房細動があった場合です。いびきや仕事中の急激な眠気の出現が睡眠時無呼吸症候群の主症状で交通事故の原因となることがありずいぶん以前に話題になりました。横綱大乃国や白鵬も睡眠時無呼吸症候群でした。

 睡眠時に10秒以上の無呼吸が1時間に5回以上あれば診断されます。

無呼吸の前に強い急ないびきがみられます。

夜間に急に強いいびきが出たり、昼間うたた寝して自らのいびきで目がさめるようであれば睡眠時無呼吸の存在が疑われます。会議中に座ったままいびきをしている人はまず睡眠時無呼吸です。

 たんにいびきや眠気だけでなく、睡眠時無呼吸症候群では突然死の確率が高くなり、辛抱彩度の原因にももなります。早朝高血圧の原因にもなります。ですから治療が必要です。診断は睡眠中の脳波、呼吸、酸素飽和度、脈拍を同時に測定するボリソノグラフPSGで行います。長崎川棚医療センターにいびき外来があります。簡易型OPCを使えば自宅でも検査ができます。治療はCPAPと呼ばれる無呼吸時に呼吸を補う機械を装着する、マウスピースを使用するなどで行われます。軽度の場合は減量、アルコールの制限、睡眠剤や精神安定剤の服用の制限、禁煙など生活習慣の改善が有効です。

 人口の4%が睡眠時無呼吸があり、日本では約200万人と推定され、けしてまれな病気ではありません。舌の付け根や扁桃腺や脂肪で起動を閉塞することでおこります。肥満の人は約3倍かかり易くなります。いままでは神経内科や呼吸器、耳鼻科で診ていましたが今では最初に述べたように、高血圧や不整脈と関係しているので、循環器科も取り扱うようになっています。いびきや急な眠気だけでなく朝の血圧が高い人や不整脈で原因がはっきりしないかたは一度主治医に相談して下さい。

 

 


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