病気一口メモ

『口の中にも、がんはできます

大村・東彼杵郡歯科医師会    中原 裕二

 


 お口の中にも「がん」ができることをご存知ですか?

 口腔がん(口の中にできるがん)は、日本ではすべてのがんの約2〜4%を占めており、年間約6000人の方がこの病気にかかられております。著名人でも二子山親方(元貴ノ花)、徳永善也さん(元チェッカーズ)などが口腔がんにかかられ、命を落とされております。

 口の中は見えるし、感覚も敏感です。早期に発見されることも多いのではないかと思われるかもしれません。しかし実際には、歯肉では6%、頬粘膜では8%、最も発見されやすい舌でも23%程度しか早期に発見されていません。

 まず、知ってほしいことは鏡を使えば、口の中は自分で見ることができるということです。また、口の中は自分で触ることもできます。口の中のがんは自分で見つけることができるのです。

 口腔がんは早期に発見し、治療をすれば怖い病気ではありません。口腔がんの発生前には、いわゆる「前がん病変」といわれる粘膜変化が何年も続く場合があり、この前がんの状態で、発見し適切に治療すれば、口腔がんの発生を防ぐことができるわけなのです。

それではご自分でもできる口腔がんをチェックする方法を列挙しますのでまずはご自分でやって見て下さい。

 まず明るいライトおよび鏡を用意します。また外せる歯科用の装置(入れ歯など)がある場合はあらかじめ外しておきます。

○赤い部分がある。

○白い部分がある。

○しこりや腫れなど肥大した部分がある。

○口内炎が2週間たっても治らない。

○出血する部分がある。

○抜歯後、治らない状態が続く。

○痛みや腫れで入れ歯が合わない・違和感がある。

○原因不明の歯のぐらつきが続いている。

○頬や舌が動かしづらい。

○話しにくい。

○口の中に痛い部分がある。

○慢性的なのどの痛み。

○首の周りのリンパ節が腫れている。

○噛むことや飲み込むことが困難 など

 自己チェックで、気になる症状が見られたら、怖がったり、何でもなかったら恥ずかしいなどと考えずに、できるだけ早く歯科医師や歯科衛生士に相談しましょう。治りにくい傷や腫れなどを、そのうち治るであろうと放置したりしないで下さい。口腔がんの場合、早期発見・早期治療こそが最も大切なことです。

 


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