家に帰ろう。
あなたがこの文章を見られる頃には、あなたやあなたの大事な家族に
手立てがないと聞いて、がっかりされているだろうと思います。
わたしたちは、そのことを残念に思い、また御同情申し上げます。
どんなに科学や技術がすすんでも、むかしから変わらない永遠の事実は、
どんな人も、いつかは彼岸へ旅立つということです。それは、どんなに私たちが
力をつくしても、変えることができません。
あなたやあなたの家族がその事実をうけいれようが、うけいれまいが、
最期は、いつかはやってきます。
うけいれることができなければ、主治医の先生と納得いくまで相談してください。
もし、そのことをうけいれることができたなら、
どうやって最期を迎えようかと、考えてみるのもいいでしょう。
わたしたち大村市医師会は、在宅診療・在宅看護のお手伝いをしています。
最期の看取りを、 患者様が少しでも楽なように、少しでも患者様が望むように
環境を整えることができます。最期は病院でなく、家のふとんで死にたいと
思っていらっしゃる方は、たぶん多いと思います。点滴や疼痛管理、酸素など
在宅診療・在宅看護の守備範囲はひろく、患者様の苦痛の多くを取り除くことが
できます。そして、自宅でその人らしい時間がすごせると思います。
あなたやあなたの家族が在宅での看取りにむいているかどうかは、その方の
病状によってことなります。また、お世話する力も問題になることがあります。
それでも、家に帰る希望が強かったら困難をのりこえることができます。
あなた、あなたの家族と、主治医の先生とわたしたちでよく相談しましょう。
担当の先生に知らせてください。「家に帰りたい」と。
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